社員体験記 Report

第26回 : Tさん 設計経験8年

  • 機械設計

機械・プラント製図 技能検定 1級

◆ 父が設計の仕事をしていたので
父が会社で油圧プレスなどの設計の業務をしており、退職してからも自宅でCADを使って頼まれた設計の仕事をしていた。
そんな光景を見ながら将来は何となく設計の仕事に携わろうと考えるようになり、大学は機械工学科へ。
その時にドラフタやCADでの図面作成や一般的な工作機械について学んだ。
卒業してからは公務員ということも考えたが、結局、機械を開発設計している会社に就職を志願。
ところが、そこは募集していないということで、関係先のアルパイン設計に入社。

◆ 自動車部品加工機械の治具設計などを経験
アルパイン設計に入社してからは、自動車メーカ向けの工作機械を設計している会社に常駐および派遣で勤務し、治具設計や配管設計などを行う。
動くものの機構の妥当性や干渉の有無、加工のしやすさや組み立てのしやすさなどを、図面だけで判断しなければいけないのが設計の難しいところ。
新規機構などでは大なり小なりトラブルがつきものなので、納期が厳しいのとミスで生産を遅らせることを避けたいので、基本的に従来図面や手法を引用した設計が多い。
また、設置などの条件対応やトラブル対策などは、現場に頼るところが大きい。
設計も細かなところは現場に任せる傾向があり、図面と実際の物が違うこともしばしばあって、注意しないといけないところである。
「現場力」が製品を支えていると強く感じる。

◆ 検図での少し悔しい思い
図面を見始めて1~2年の頃、外注設計の図面を検図していると上司の方から注意を受ける。
納期が迫っているのに検図に時間がかかっているので、必要無いものはしなくていいとの指摘。
結局、上司の方が1時間ほどサッサと見て出図してしまう。
それでもでき上がった製品にはトラブルが少なく、自分が図面を見るポイントが理解できていないことを知らされたようで、少し悔しい思いをした。
でも、今でも検図はミス防止には絶対必要で、物を作る前に潰すことが重要だと考えている。

◆ 設計変更の手続きがうまくいかず大きな損金発生
ワーク搬送用のアダプタプレートを設計して、数百個手配したときのこと。
手配後に強度に不安があるため、剛性を上げるために抜き穴周辺の肉盛りをする設計変更をした。
資材部門にその設計変更が間に合うか確認して図面を差し替える。
ところが、実際には材料取りや抜き穴の溶断処理が完了しているものが数十個あったようだ。
この設計変更は間に合わなければ止めるつもりだったが、その思いが資材部門にうまく伝わっておらず、設計には何の連絡も無しに資材部門の判断で材料取りし直しがされていた。
後日、設計側に数百万円の材料費の請求書が届き、発覚したもの。
上司の方に話をして支払って頂いたが、何となく腑に落ちない気持ちが残る。
連絡・確認の不十分さが生んだ結果であるが、”**したつもり”で安心していたことに敗因がある。
最後までしっかり確認することが大切だと身に染みた。

◆ リーマンショックが一番不安な時期
アルパイン設計に入って一番不安な時期がリーマンショックの頃。
客先の仕事が減り、自分も派遣していた会社からアルパイン設計に戻ることになる。
アルパイン設計に戻ってからは他の仕事も多少受けたが、実際には派遣先だった会社の仕事を継続する形で関係が継続。
現在またその会社で勤務できていることは喜ばしいことである。

◆ 今後の目標は設計者として一人前になること
“設計者”としてのスキル・経験を積み、信頼されて仕事を任せられる(一人前になる)ように日々精進して行きたい。

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