第35回 : Hさん 設計経験5年
◆ 大学では物理と化学を合わせた材料工学を学ぶ
大学では物理と化学の両要素を持つ材料工学を学ぶ。
その後、派遣やIT関係の会社でプログラミングなどを経験したが、労働環境などの問題で転職を考える。
そのときに「ものづくり」も面白いとの思いから、某金型メーカに就職。
しかし、設計に関する知識がないので、金型メーカの社長さんがアルパイン設計に教育派遣してくださった。
ところが緊迫した人材不足で、すぐに産業機器メーカに派遣される。
◆ やりながら、聞きながら、実践で学ぶ
その派遣先では製薬装置の配管設備設計を担当。
設計知識はほぼ無いに等しい状況。
初めは何も分からず職場の皆様やお客様に迷惑をかけたが、それでも少しずつ機能や役割が理解できるようになった。
この経験から、何もなくてもこつこつまじめにやっていればやっていけるものだということを学べた。
設備は、薬品を充填する前工程として、液の「調製」や「ろ過」を行うものだが、物理、化学、流体、力学、・・・いろいろな知識が必要となり、改めて技術の奥深さに気づかされた。
同時に難しい技術だけに、いろいろ学ぶ必要性を感じている。
◆ 配管の中が見えない難しさ
配管技術の難しさの一つに、管の中が見えないことがある。
管中を洗浄した液体が残っていないか? 残圧がないか? など、中が見えないために苦労することも多い。
残圧があると分解した瞬間に吹き出し、部品が吹き飛ぶこともある。
設計では、限られたスペースに複雑な配管ルートを確保し、緩やかな勾配を有し、メンテナンス性を確保するといった設計は、思った以上に難しい。
しかし、難しいだけにやりがいを感じる。
◆ 現物が動いているのを見るとやりがいを感じる
未熟ながらも大きな設備を設計させていただいて、自分が設計した図面が現物となり、エンドユーザに納入されたときやそれが動いている様を見ると、大きなやりがいを感じる。
自分が関与したことが社会の役に立っていると実感できるときでもある。
◆ 座右の銘:「何事もバランスが重要」
人生にも仕事にも設計にも無数の要素を含んでいるが、それぞれに適正な程度というものがあるはずだ。
例えば良いものを作るにはどうしても時間が必要になるが、ただ徒に時間をかければ良いというものでもない。
仕事の質、工数やコスト、人員、納期など、全体を見ながらうまくバランスをとって対応しなければ、効率的な仕事はできない。
◆ 今後の目標はお客様に喜ばれる仕事をすること
今までも今後も、お客様に喜ばれる仕事をすることが目標。
基本的には社会や誰かの役に立つ仕事がしたい。
そのためには様々な経験や勉強が必要であり、一層努力しないといけない。