社員体験記 Report

第43回:Hさん 設計経験25年

  • 電気設計

◆ 目に見えない電気に興味
モノを最初から作っていき、それを動かすことに興味があった。
ラジオのキットを製作したり、ラジコンを独自に改造してモータを高速回転するようにしたりしていた。
特にトランジスタは、誰がこんなすばらしいものを作ったのだろうと興味を持った。
電気は目に見えないが、見えないからかえって面白いと思い、大学は電気工学に進む。

◆ 産業機器メーカで電気設計を担当
大学卒業後は産業機器メーカで、レーザ加工機やウォータジェット加工機の回路、及び制御プログラム設計を担当。
加工速度によってレーザ出力を調整する必要があるが、レーザ出力の制御機器は外国製で日本製のNC装置とのインターフェースを合わせるのがたいへんだった。
ウォータジェット加工機でも、研磨材の濃度調整に苦労した。
吐出水の勢いで研磨剤が混合されて行くのだが、その調整制御のプログラムは結構たいへんだった。

◆ 出張が多く、お客様視点での考え方を学ぶ
産業機器の電気設計はお客様の要望によるカスタマイズが多く、お客様のところに出張することが多かった。
装置の使い方でもお客様が特殊な加工方法を希望したりするので、そのためのプログラム変更が必要になる。
逆にメーカが気づかない使用方法のノウハウを学ぶことも多く、装置の改善に大いに役立った。
このような経験から、お客様の立場に立って物事を考えるようにもなった。

◆ 思い込みによる感電事故
失敗事例では、思い込みによる感電事故が何回かあった。
数人で制御機器を調整しているときに、相棒に「大元を切っておいて」とお願いしたが、相棒は「大元」の意味が理解できなかったようで、電源が入りっぱなしの状態のままになっており、作業中に200Vで感電した。
また、あるときは「抜いて」とお願いした電源線が抜かれておらず、ブレーカを入れた瞬間に火花が出るということもあった。
幸い素子の破損等はなかったが、最悪は火災にもつながる事故であり、「確認」の必要性を再認識した。

◆ 初めて設計した機械が動いた時の感動
初めて設計した機械が、通電され、思った通りに動いたときの感動は忘れられない。
ウォータジェット加工機のワークをクランプするオプション装置で、本当に簡単な回路であったが、自分で設計して、自分でプログラムして、心配しながらの電源投入で問題なく動いた時の感動は、設計者のみが味わえる醍醐味である。

◆ 座右の銘 : 至誠にして動かざる者は、未だこれ有らざるなり
お客様との対応から学んだことであるが、一生懸命対応するとお客様もそれを感じ取ってくれ、良くしてくれる。
逆に気を抜くと、お客様にもそれが伝わてしまう。
何事にも真剣に取り組んで対応することが大切であると肝に銘じている。

◆ 今後の目標
お客様が気づかないことに気づくようになること。
一例として、取引先のそれぞれのお客様には、業界・社内にある固定観念に縛られているようにも思える。
それに対して、「他社ではこんなやり方をしている」という ように、自分の経験をもとに改善提案をしていきたい。

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